稲垣えみ子さんの「寂しい生活」を読みました。
電気代は月に150円程度、ガスも契約せず。
家電は、電灯、ラジオ、パソコン、携帯のみ。
原発事故後の節電から、
家電をひとつひとつ手放していくと、
会社まで辞めてしまった稲垣さん。
「便利なものに囲まれていた私の暮らしは、
いわば、必要な栄養や薬を補給してくれるたくさんのチューブにつながれた
重病人のようなものだったのではないか。……
私がやってきたことは、このチューブを一つ一つ抜いていく作業であった。
まさに決死の覚悟で。でも、思い切ってやってのけたのだ。
そして何が起きたか。
私はベッドから起き上がり、自由に歩き回れるようになったのである。」
あぁ、これは、サトウチカさんの本「ひらけ!オフグリッド」にも
書いてあることだ、とはっとしました。
コロナショックで経済が停滞していて、
経済的に苦しい方々がいらっしゃるこの状況。
「ものやこと」に対してお金を払うことで、
お金が循環する消費社会が、
もう限界にきているのだろうなと感じます。
クローゼットは洋服でいっぱい、
大きな冷蔵庫も食料品でいっぱい、
これがあれば便利かも…という家電もいっぱい、
家の中は「必需品」でいっぱいなのに、
まだ足りない…と買い物を続ける。
もう飽和状態なのに、ものを売って経済を回そうとするから、
人の動きが止まりそうな今、大きな大きな歪みが生まれている。
高価なものを所有することでステイタスを感じたり、
お気に入りのものに囲まれる生活が幸せであると感じたりする、
「もの」イコール幸せの価値観から抜け出ることが、
必要なんじゃないか…とひしひしと感じます。
稲垣さんいわく「小さい家はシンデレラのガラスの靴」。
ほとんどの人は暮らしていく上での必需品が多すぎて、
小さい家に入ることができない。
稲垣さんは「必需品」なるものをほとんど手放してしまった。
モノに対する執着を捨て去ったから、小さい部屋に入ることができると。
シンデレラのガラスの靴は、欲の大きさを測る装置だったのか‼
3年前、お友達から娘にのお誕生日プレゼントに頂いた本、
「ムーミンのふしぎ」にも、所有しない豊かさが
描かれていることも、思い出しました。
2020年、これを機会に、稲垣さんやムーミン側の世界へ
もっと近づきたい、行きたい‼